建物を安全に解体するための知識

調査と計画で工事を安全に進める

解体工事を始める前には、まず建物の構造や材質、周囲の環境を詳細に調査し、最適な工法を選ぶ計画を立てます。
この段階では、建設リサイクル法や建築基準法に基づき、必要な許可や届出を済ませることも欠かせません。
準備が整ったら、粉塵や破片が飛散しないよう建物を養生し、作業員が安全に動けるよう足場を組みます。
また、電気やガス、水道といったライフラインを遮断することも重要で、これを怠れば火災や漏電、爆発といった大事故に繋がる危険があります。
これらの準備を一つひとつ丁寧に進めたうえで、初めて重機を用いた本格的な解体作業に入ることができるのです。

廃材処理と現場整備までが解体工事

建物を壊す作業が終わっても、解体工事はそこで終了ではありません。
現場には木材やコンクリート片、鉄骨など大量の廃材が残るため、適切な処理を行う必要があります。
廃材はすべて廃棄するのではなく、リサイクル可能なものと処分が必要なものに分別されます。
再利用できる資材は他の現場で活用されることもあり、環境への負担を減らすことに繋がります。
最後に土地を整地して安全な状態に戻し、解体工事が完了します。
また、計画通りに進行できたかを確認し、問題点を洗い出すことで、次の工事に活かすことができます。
これら一連の流れを経て初めて解体工事は安全かつ環境に配慮した形で終了となります。